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千成寿司と挟土秀平 12 < ギャラリー

南西方向からの外観
夕方から陽が落ちてライトアップされるまでを上から順に並べてみました。
写真家の外観写真も見て下さい。
岐阜といえば、信長の岐阜城、千成寿司本店のマークは千成瓢箪、寿司といえばネタとシャリ、ネタといえば魚、ヒレ、波、海の底、
これら全てがこの外観に登場します。
夜の雰囲気はドラマチックな動きのある雰囲気に変身します。まさに夜の営業がメインで、建物も中の人も活動します。
写真家の夜景写真も見てください。
陽が落ちて闇に包まれると闇に浮かび上がってきます。
この反対面からの夜景もおもしろいですよ。
昼間は見えない水槽が夜になると歩道から見えるようになります。板前さんもお客様も両方の様子が浮かび、それ自体がショーウインドーとなり、来店者に安心感を与えてくれます。
水槽部分が船として、前進すると波が脇にできます。その様子をそのまま天井に平行投影するとこんな形になります。光る波頭の収束先に水槽があり、魚が泳いでいる。店舗に足を踏み入れた瞬間には自然に水槽に目が向いてしまいます。こちらの完成写真ではよりリアルに見えます。
挟土秀平の円空・波が向かった先に円空さんの顔が見えます。本物を現地で見てもらったほうが良く判ります。「シックハウス問題」は自然素材を使用すれば「問題」ではありません。法令も伝統工法の民家は規制対象外です。まさにこの円空さんの前に立ち、深呼吸をして禅を組むときの気持ちを思い起こして下さい。安らぎと癒された気分になれます。この土壁からカウンター方向への写真と体の不自由な方にも配慮されたトイレも見てください。
内装をまとめるキーワードは「木」「土」「紙」それから「挟む」かもしれません。最後の「挟む」とは、この土壁を仕上げた「挟土秀平」さんから連想したわけではありません。水槽を挟む外部空間と内部空間、テープライトを挟んだ障子、薄布を挟んだ間仕切、浮かび上がる波に挟み込まれた間接照明。こちらの完成写真ではよりリアルに見えます。
2階客間の交差点側の状況です。
ちょうちんの向こうには岐阜駅があり、外部空間が広がっています。
こういった窓は、深い蒼い海の底を覗くときの気分を味あわせてくれます。
挟土秀平さんの土壁にライティングしました。下半分はベッドサイドライトの大きなもの、大きなホタルのお尻、近くで見ると紙に見えます。土にスス竹を埋め込んだデザインの大胆なテクスチャによく似合います。
奥の個室は堀コタツ形式になっており、床暖房が入っています。高齢のお客様や足の不自由な方も着席できます。中央の座卓は脱着自由で、2組に分けることができます。飾り床の格子と障子は内部の照明取替えも考慮して、脱着可能な形を取っています。下部敷石部分のライティングをすると全体の重いイメージが軽くなること、同時に足元の照明を兼ねている。こちらの完成写真ではよりリアルに見えます。
個室から広間方向のアングルですが、かなり幻想的な絵になっています。目ざしたのは現代的和風ですが、まるでこれは源氏物語絵巻ではないか!!十二単でお寿司はいかが・・・・・通路部分フットライトは雰囲気作りだけでなく、床面を照らすことにより、視力の明るさ感覚が半分以下となるといわれる高齢者のお客様にも足元の不安がないように考えました。
個室の堀コタツの存在は、店の人気の秘密になるように思い、設計時点にも提案を出しました。お客様の年齢層が厚いこと、大きく捕らえて高齢化社会に加速度的になってゆくこと、何といっても設計者自身がその良さを強く感じていたからです。ただ、闇雲にデザインに没頭するばかりでなく、施主様の本来の目的に沿う提案は、強く主張することにしています。こちらで、さらにアップして見てください。
3階宴会場の入り口
こちらの写真は、さらに魅力的です。
3階宴会場内部
画像左上にはエアコン室内機が見えていますがその脇には、判別が困難ですがエコシルフィーが取付けられています。誰もが経験あることですが、せっかく美味しい食事を楽しみに来たのに、エアコンの風が感じられて気になり席を替えてもらうこともできず結局気分を害して、早々に引き上げて来た。店舗の経営者に助言するのも不躾だから、もう来るのはやめておこう。・・・・・・エコシルフィーは時代の生んだローテクかつ高性能な機能を持ち、空気の対流を促し、天井付近と床付近の温度差を無くしてしまします。
3階宴会場のこのアングルをラストイメージとしたのには理由があります。この空間の感じる空気には、当初内観のレンダリングパースを立ち上げたときより、気に入ったからである。天井の月は、夜に浮かぶことをイメージしたと、水野君が言っていた。その「夜に浮かぶイメージ」がこの部屋全体に行き渡ったようにも見えてくる。手前のちょうちん照明と瓢箪の挟み障子のコントラストが、絵を引き締めてくれた。こちらの写真は、さらに魅力的です。

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Copyright (C) Hiroshi Sugihara, All Rights Reserved. sinse1999.02.06
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設計・監理に限らず、どのような仕事も同じことが言えるのではないかと思いますが、「やりたくないこと」と「やりたいこと」があります。

どのようなことも、いやいやでも、どうしても生活のためにやらなければならないことは、自分として魅力の感じないことであっても、意外とテキパキ手際よくこなせてきたように思います。
ただ責任感につき動かされているのと、自分を簡単に納得させることが出来るからではないでしょうか。

これに対して、「やりたいこと」というのは、自分を満足させる魅力に溢れているだけにパワーが出てしまう、肩に力が入ってしまうのである。
そして、逆にテキパキではなく、念入りに慎重に丁寧になるものです。
大袈裟かもしれないが、自分の生きた証を残す本能のようなものにスイッチが入ってしまうのです。

千成寿司本店の大将も奥様そして若大将、みんなが私たちのプランを気に入ってくれて、満面の笑顔で賛成して、私たちをのせてしまったのである。   つまりスイッチを入れてしまったのである。
これは、施主さんに受注側が送るお世辞ではなく、まさに事実である。

設計監理を依頼される方には、まさにこれが「設計事務所の特にすぎはら設計の上手な使い方」なのである。

千成寿司本店の担当デザイナーの水野君も小生も、何故かこの現場の成長を楽しみに、週に一回の打合せに出かけました。
・・・・・いつも利用させて頂いた駐車場から現場事務所への道は、ひょっとしたら気分的にはオジサンスキップをしていたのかもしれない。

建物に限らず、何かを創造する行為、とくに「やりたいこと」は、人を夢中にさせる醍醐味があるものである。